「手術室見学があるけど、何を勉強したらいいの?どんな目標を立てればいい?」
そんな悩みを抱える看護学生さんへ。
実際に手術室で働く現役看護師が、見学の目的・目標例・事前学習のポイントをわかりやすく解説します!
実習が不安なあなたも、この記事を読めば「よし、行ってみよう」と思えるはずです。
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手術室見学とは?目的と基本情報
手術室(オペ室)の見学実習は、多くの看護学生が経験する実習のひとつです。
主な目的は以下の通りです:

1~2日が一般的で、実際に看護ケアを提供するというより「観察・理解」が主な活動になります。
手術室見学の目標はどう立てる?【例文あり】
目標を立てるポイント
手術室見学は短時間のことが多いため、目標はシンプルかつ具体的に立てるのがポイントです。
以下のような表現がよく使われます
目標例(そのまま使えるテンプレ)
● 手術室の環境に関する目標
- 手術室の構造や空調の特徴を知る。
- 清潔区域・不潔区域の違いを観察し、感染対策の工夫を学ぶ。
● 看護師の役割に関する目標
- 手術室看護師の役割と、患者の安全を守るための看護実践を知る。
- 手術前後の患者への声かけや準備の様子を観察する。
- 体内遺残防止のための取り組みを観察する。
- 感染予防のための取り組みを観察する。
- 滅菌物の取り扱いや管理方法を見学する。
● 生体反応・モニタリングに関する目標
- モニターを通してバイタルサインの変化を観察し、麻酔や手術による身体への影響を学ぶ。
● 多職種連携に関する目標
- 医師、麻酔科医、看護師、臨床工学技士などの連携の様子を見学する。
- 情報共有や役割分担がどのように行われているかを学ぶ。
4. 実習後の振り返りにつながる目標を立てよう
目標は「立てること」自体が目的ではありません。
見学後に「この目標は達成できたか?」「何が印象的だったか?」を振り返るための指針にもなります。
そのため、抽象的すぎる目標よりも、
「どのような場面を見て何を理解するか」
がわかるような表現を心がけましょう。
実習前にやっておきたい事前学習
「何を予習すればいいかわからない…」という声は多いですが、以下を押さえておけば安心です!
✅ 必須の事前学習内容
- 手術室の概要・目的・環境
- 滅菌・無菌操作の基本
- 看護師の役割(器械出し・外回り)
- 患者の安全確保・体位固定などの工夫
- 代表的な手術名(例:虫垂炎・胆嚢摘出など)
手術室見学の「不安・疑問」を解消!事前学習はこれでOK!
1.手術室の環境
手術室の環境は、病棟とは違い、感染対策のためにクリーンに保たれています。
温度・湿度・清浄度
手術室の空気の流れは「層流システム」によって制御され、空気が天井から床へと流れることで、無菌環境を保っています。
清潔エリア区分と移動マナー
手術室では、空調管理の違いにより、3つのエリアに区分されています。

自動扉は足元のセンサー式。開けたら必ず閉じる習慣を。
扉の閉め忘れは、しっかり指摘される場面もあります。
※施設によっては勝手に閉まるところもあります。
2.手術室看護師の主な役割
器械出し看護師(直接介助)
- 術前:器具点検・ガーゼ/器械のカウント
- 術中:スムーズな器具提供、破損チェック、器械・ガーゼの再カウント
- 術後:物品の再確認・整理
外回り看護師(間接介助)
- 術前:患者精神ケア・薬剤/物品準備・患者誤認防止
- 術中:バイタル観察・記録・輸液・外部対応
- 術後:創部処置・抜管介助・申し送りなど
3.手術を受ける患者のサポートの具体内容
- 体位調整:褥瘡・神経障害の予防
- 体温調整:低体温、高体温の予防
- 精神的ケア:手術中・入室前の声かけや説明
- 誤認防止対策:
- ダブルチェック
- 識別バンド・口頭確認
- 手術部位マーキング+タイムアウト
- 麻酔サポート:挿管介助、尿量・皮膚確認
- DVT予防:弾性ストッキング、間欠的空気圧迫装置
4.手術の基本的な流れ
項番 | 手順 | 主な内容 |
---|---|---|
① | 手術室入室 | ・患者確認(誤認防止) (氏名・生年月日・手術内容・手術部位) ・同意書の確認 ・病棟から手術室への申し送り |
② | モニター装着 | ・ベッド移動・移乗介助 ・精神的ケア(声掛けやタッチング) ・心電図・血圧計・SpO₂モニター装着 ・入室時バイタルサイン確認 |
③ | 麻酔の準備 | ・点滴ルートの確保(必要時) ・両上肢、下半身を抑制帯で固定 (患者の了承を得てから:倫理的配慮) |
④ | 麻酔の開始 | ・脊椎麻酔 ・硬膜外麻酔の場合は、全身麻酔の前に行う ・全身麻酔導入 |
⑤ | 術前処置 | ・膀胱留置カテーテルの挿入 ・間欠的空気圧迫装置(DVT予防)装着 |
⑥ | 手術体位の調整 | ・手術体位に合わせた良肢位の確保 ・枕(スポンジ)などを使用して体位調整 |
⑦ | 消毒・清潔準備 | ・手術部位の消毒 ・清潔ガウンの装着 ・ドレープで覆う ・デバイスの準備と接続 |
⑧ | タイムアウト | ・手術前の最終確認 (患者・部位・内容の誤認防止) |
⑨ | 手術中 | ・ガーゼ、器械のカウント(体内遺残防止) ・出血量のカウント ・バイタルサインの観察 ・必要物品の提供 |
⑩ | 手術終了 | ・創部の保護(ガーゼ・ドレッシング材) ・体の清拭(血液、消毒落とす) ・必要時レントゲン撮影(開腹手術など) |
⑪ | 患者の覚醒 | ・麻酔からの覚醒確認 ・抜管の介助 ・意識、バイタルチェック ・帰室の可否判断 |
⑫ | 手術室退室 | ・ベッドで退室(局所麻酔以外) ・リカバリー室で経過観察 ・手術室から病棟への申し送り |

麻酔のことか詳しく解説しているから、他の記事も読んでみてね!
見学中に注目すべき!観察ポイント一覧
ここを見てくればOK!
項目 | 学習・観察のポイント |
---|---|
手術室看護師の役割 | ・患者の安全のためになにしてる? ・どんな感染対策 ・物品の準備 ・不安軽減への声かけなどのコミュニケーション |
手術室の環境 | ・清潔・不潔区域の区分 ・空調、照明 ・感染予防対策の工夫(床・壁・動線など) |
麻酔方法 | ・全身麻酔、脊椎麻酔、局所麻酔どんな麻酔か? ・麻酔の影響(バイタル変動) ・合併症予防の看護師の対応 |
手術体位 | ・仰臥位・腹臥位・側臥位・ジャックナイフ位など ・良肢位の工夫 ・褥瘡予防の皮膚保護 ・手術体位に応じたベッド構造 |
バイタルサインの正常値 | ・麻酔前後の変化を観察 ・HR、BP、SpO₂などの変化 |
DVT予防策 | ・間欠的空気圧迫装置の使用方法と禁忌 ・DVTの危険性と予防の意義 |
多職種連携 | ・執刀医・麻酔科医・臨床工学技士・放射線技師などの役割 ・チーム内の情報共有のタイミングや方法 |
見学手術の術式と合併症 | ・手術内容を簡単に理解しておく ・術後観察につながる視点 (皮膚切開位置・ドレーンの位置など) |
体内遺残防止の方法 | ・ガーゼ・器械のカウント方法 ・レントゲンによる確認の有無 |
滅菌物の取り扱いと清潔操作 | ・滅菌パックの扱い方、受け渡しの方法 ・滅菌物の確認ポイント (インジケーター・未開封・乾燥・期限内など) |
患者の保護や倫理的配慮 | ・麻酔中に自力で動けない患者の保護 ・眠っている患者への倫理的配慮 ・体位保持・温度管理・皮膚トラブルの予防など |

メモは「気づいたこと・感じたこと」を中心に取りましょう。
実習で困らない!手術室でのマナーと注意点
初めての手術室見学では、雰囲気に緊張することもあります。
でも、マナーと注意点を知っておけば大丈夫!
💡 守るべきマナー
- 無菌野には絶対に近づかない
- 見学中は私語・不要な動きはNG
- 疑問があれば終了後に質問する
- 感謝の気持ちを持って見学すること

少しでも体調が悪いなと思ったら、すぐ声をかけてね!
我慢していると、本当に倒れます!!(経験談)
おわりに:手術室見学は「感じる」ことが大切!
手術室は一見敷居が高く見えますが、実際に現場を見ることで得られる学びはたくさんあります。
「自分が手術を受ける立場だったら…」という視点で観察することも、看護の視点を養う第一歩です。
この記事で、少しでもあなたの不安が和らぎ、実習を前向きに迎えられたら嬉しいです。
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