第103回 午後11問(必修問題):主要な症状と兆候
心原性ショックで直ちに現れる徴候はどれか。
1. 血圧の上昇
2. 体温の上昇
3. 尿量の増加
4. 脈拍数の増加
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正解は・・・・4. 脈拍数の増加
1. 血圧の上昇
心拍出量の低下=血圧は低下する。
基本的にショック状態とは血圧が維持されない状態。
2. 体温の上昇
心拍出量の低下=血圧の低下=末梢循環が悪くなる=体温の低下が生じやすい。
3. 尿量の増加
心拍出量の低下=血圧の低下=腎臓への血液循環が減少=尿量は減少する。
4. 脈拍数の増加
心拍出量の低下=【循環を維持しないと!!】=代償的に脈拍数が増加する。
急性心筋梗塞、不整脈などにより心臓のポンプ機能が障害される
⇒心拍出量が低下する
=心原性ショック
第96回 午前18問(必修問題):主要な症状と兆候
出血性ショックで起こるのはどれか。
1. 体温の上昇
2. 尿量の増加
3. 血圧の低下
4. 皮膚の紅潮
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正解は・・・・3. 血圧の低下
1. 体温の上昇
循環血液量が減少=体温はむしろ低下する傾向。
2. 尿量の増加
循環血液量減少=腎臓への血流量が減少=尿量は低下する。
3. 血圧の低下
循環血液量減少=血圧が低下する。
血圧=循環血液量×末梢血管抵抗
4. 皮膚の紅潮
循環血液量が減少=末梢の皮膚の色が蒼白になる
皮膚が紅潮するショック=敗血症性ショック
出血したらどうなるのかを考えると正答にたどり着けます。
第105回 午後12問(必修問題):主要な症状と兆候
特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックはどれか。
1. 心原性ショック
2. 出血性ショック
3. 神経原性ショック
4. アナフィラキシーショック
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正解は・・・・4. アナフィラキシーショック
1. 心原性ショック
心原性ショック=心臓ポンプ機能の障害=心拍出量の減少である。
2. 出血性ショック
出血性ショック=出血などによる急激な循環血液量の減少である。
3. 神経原性ショック
神経原性ショック=脊髄損傷などによる交感神経遮断と迷走神経亢進=末梢血管の急激な拡張=血圧低下である。
4. アナフィラキシー
シアレルゲンがIgE抗体と結合・反応して起こるのアレルギー反応である。
重症の場合には、血管拡張によって血圧低下が起こる。
⇒アナフィラキシーショックと呼ぶ
【ショックの特徴的な症状】
(ショックの5P)
①蒼白 Pallor
(敗血性ショックは顔面紅潮・・・)
②冷汗 Perspiration
③虚脱 Prostration
④脈拍触知不能 Pulselessness
⑤呼吸不全 Pulmonary insufficiency
頭文字とって「ショック!!それきみこ!?」
って覚えたりしました。。。
第103回追試 午後12問(必修問題):主要な症状と兆候
ショックはどれか。
1. 顔面が蒼白になる。
2. 皮膚温が低下する。
3. 心拍数が増加する。
4. 血圧が維持されない。
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正解は・・・・4. 血圧が維持されない
1. 顔面が蒼白になる
ショックの典型症状の1つに顔面蒼白がある。
しかし敗血症性ショックでは顔面紅潮がみられることがある。
2. 皮膚温が低下する
皮膚温が低下するショック
・循環血液減少性ショック
・心外閉塞/拘束性ショック
・心原性ショック
皮膚温が上昇するショック
・敗血症性ショック
3. 心拍数が増加する
心拍数が増加するショック
・心原性ショック
・出血性ショック
・敗血症性ショック
心拍数が減少するショック
心外閉塞/拘束性ショック
神経原性ショック
4. 血圧が維持されない
何らかの原因で血液が全身に供給されなくなる
⇒細胞が低酸素状態に陥り機能不全となる
=ショックである
第111回 午後14問(必修問題):主要な症状と兆候
細菌感染で起こるショックはどれか。
1. 心原性ショック
2. 敗血症性ショック
3. アナフィラキシーショック
4. 循環血液量減少性ショック
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正解は・・・2. 敗血症性ショック
1. 心原性ショック
心筋梗塞などが原因⇒心臓のポンプ機能の低下⇒循環不全
2. 敗血症性ショック
細菌感染が原因
エンドトキシンの産生⇒末梢血管抵抗性が低下し⇒循環不全
3. アナフィラキシーショック
食物アレルギーなどが原因
Ⅰ型アレルギー反応⇒梢血管抵抗が低下し⇒循環不全
4. 循環血液量減少性ショック
出血、熱傷、脱水が原因⇒体液の減少⇒循環不全
第108回 午後84問(一般問題):救急看護・クリティカルケアの基本
アナフィラキシーショックで正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 徐脈になる。
2. 重症例では死に至る。
3. 気道粘膜の浮腫を生じる。
4. Ⅲ型アレルギー反応である。
5. 副腎皮質ステロイドは禁忌である。
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正解は・・・
2. 重症例では死に至る
3. 気道粘膜の浮腫を生じる
1. 徐脈になる
アナフィラキシーショックでは動悸や頻脈が出現する。
2. 重症例では死に至る
循環不全が進行すると死に至る。
3. 気道粘膜の浮腫を生じる
アナフィラキシーでは血管透過性が亢進
⇒浮腫が生じる。
同様の理由から気道粘膜にも浮腫が生じる。
4. Ⅲ型アレルギー反応である
アナフィラキシー=Ⅰ型アレルギー反応である。
Ⅰ型
・花粉症・食べ物・気管支喘息
・アナフィラキシーなど
Ⅱ型(細胞傷害型)
・不適合輸血・Rh不適合妊娠
・自己免疫性溶血性貧血(AIHA)
・特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
・慢性甲状腺炎(橋本病)など
Ⅲ型
・SLE・ループス腎炎
・急性糸球体腎炎など
Ⅳ型
・接触性皮膚炎
・ツベルクリン反応
・GVHD など
5. 副腎皮質ステロイドは禁忌である
アナフィラキシーショックの治療
第一選択はアドレナリン
重症の場合は抗ヒスタミン薬やβ2刺激薬、副腎皮質ステロイドも使用される。
アナフィラキシーは主にⅠ型アレルギーによって引き起こさる。
アレルゲンに曝露してから数分で蕁麻疹や呼吸困難、動悸、喘鳴などが生じる反応である。
重症例では血圧低下や意識消失などのショック症状も出現する。
第100回 午後25問(一般問題)
ショックを起こした患者に最も適切な体位はどれか。
1. 腹臥位
2. 頭部挙上
3. 下肢挙上
4. 左側臥位
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正解は・・・3. 下肢挙上
1. 腹臥位
利点がない。
2. 頭部挙上
脳への血流が低下するので適切ではない。
3. 下肢挙上
ショックにより脳の血流が低下することは生命に直結する。
ショック体位(低頭位)=仰臥位で下肢挙上
ファーストエイドの現場において、下半身を挙上しても効果が短くい。
その臨床的意義ははっきりしないため推奨されていない(JRC蘇生ガイドライン2020)。
現在ではショック体位よりも、回復体位のほうが重要。
https://www.jrc-cpr.org/2022/08/06/jrcguideline2020pdfversion/
4. 左側臥位
利点がない
ショックについて詳しく勉強したい方はこちら
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