第95回 午後4問 心臓の構造と機能
心臓の刺激伝導系で最も早く興奮するのはどれか。
1. ヒス束
2. 房室結節
3. 洞結節
4. プルキンエ線維
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正解は・・・・3.洞結節(洞房結節)
刺激電動系興奮の順番
①洞結節
ペースメーカー(歩調取り)と呼ばれる
②房室結節
③ヒス束
④右脚・左脚
⑤プルキンエ線維
右脚と左脚、それぞれの先で心室の乳頭筋や心筋に付着している線維である。
洞結節から電気信号が発生して房室結節を通ります。
ここで心房全体に興奮が拡がることで心房が収縮します。
その後、ヒス束⇒左脚・左脚→プルキンエ線維へ電気刺激が伝わります。
すると心室全体が収縮します。
この周期的運動は神経による刺激ではなく、自らの興奮によって行われる。
⇒心臓の自動性という。
これは、今後心電図を勉強するときに必要な知識になるから、学生のうちに必ず覚えておこう!!
第103回 午前29問 心臓の構造と機能
心臓の自動的収縮について正しいのはどれか。
1. 運動神経で促進される。
2. 興奮を伝える刺激伝導系がある。
3. ペースメーカーはHis〈ヒス〉束である。
4. 中脳の血管運動中枢による支配を受ける。
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正解は・・・2. 興奮を伝える刺激伝導系がある。
1. 運動神経⇒✕
心拍の促進・抑制は自律神経で促進
心拍の促進は交感神経
心拍の抑制は副交感神経
2. 興奮を伝える刺激伝導系がある。⇒〇
心臓の自動性、興奮を伝えるのは・・・
⇒特殊心筋線維でできている刺激伝導系
3. ペースメーカーはHis〈ヒス〉束である。⇒✕
ペースメーカー(歩調取り)=洞房結節
4. 中脳の血管運動中枢による支配を受ける。⇒✕
心臓中枢(心臓促進中枢・心臓抑制中枢)⇒延髄
血管運動中枢⇒延髄
血管平滑筋の収縮状態を調節し血圧調節
中脳からでる支配神経⇒動眼神経・滑車神経
第109回 午前26問心臓の構造と機能
固有心筋の特徴はどれか。
1. 平滑筋である。
2. 骨格筋よりも不応期が短い。
3. 活動電位にプラトー相がみられる。
4. 筋層は右心室の方が左心室より厚い。
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正解は・・・3. 活動電位にプラトー相がみられる。
1. 平滑筋である。⇒✕
心筋=固有心筋
心筋は骨格筋と平滑筋の両方に似た性質をもつ。
・平滑筋と同様に自律神経に支配される不随意筋
・骨格筋同様に横紋をもつ
2. 骨格筋よりも不応期が短い。⇒✕
固有心筋=活動電位の持続・不応期が長い
固有心筋=活動電位の不応期も長い
3. 活動電位にプラトー相がみられる。⇒〇
プラトー相とは・・・
心筋が「収縮を続けるために必要な時間」を作り出す部分
固有心筋では、電位差が消失する
このプラトー相は心筋特有の現象である。
4. 筋層は右心室の方が左心室より厚い。⇒✕
全身への血液拍出する左心室は、右心室の3倍もの厚さをもつ。
心筋には二種類あります。
・刺激伝導系(興奮伝導系)の特殊心筋
・作業筋である固有心筋
固有心筋は、心臓の大部分を占め、血液の拍出作業に関与する。
第107回 午後83問心臓の構造と機能
健常な成人の心臓について、右心室と左心室で等しいのはどれか。2つ選べ。
1. 単位時間当たりの収縮の回数
2. 拡張時の内圧
3. 収縮時の内圧
4. 心室壁の厚さ
5. 1回拍出量
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正解・・・1. 単位時間当たりの収縮の回数 5. 1回拍出量
1. 単位時間当たりの収縮の回数=〇
単位時間当たりの収縮の回数=心拍数
興奮は左右の心室の心筋へ同時に伝えられて収縮するため、等しい。
2. 拡張時の内圧⇒✕
拡張時の心室内圧
⇒右心室0mmHg程度
⇒左心室は5mmHg程度
3. 収縮時の内圧⇒✕
収縮時の心室内圧
⇒右心室25mmHg程度
⇒左心室は120mmHg程度
4. 心室壁の厚さ⇒✕
左心室壁負荷がかかるため、肥厚し、分厚い。
5. 1回拍出量⇒〇
左心室から拍出された血液は体循環後に右心房に戻る。
右心房内の血液は右心室に移動し右心室から肺動脈へと拍出される。
=左心室からの拍出量と右心室からの拍出量は同じである。
第111回 午前26問心臓の構造と機能
正常な心臓で心拍出量が減少するのはどれか。
1. 心拍数の増加
2. 大動脈圧の上昇
3. 静脈還流量の増加
4. 心筋収縮力の上昇
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正解は・・・2. 大動脈圧の上昇
心拍出量とは、
左心室から拍出される血液量
1. 心拍数の増加⇒✕
心拍出量=1回拍出量×心拍数
よって心拍数が増加すれば心拍出量は増大する。
2. 大動脈圧の上昇⇒〇
大動脈圧が上昇⇒頸動脈洞や大動脈にある圧受容器が興奮⇒延髄の循環中枢⇒自律神経調節が入る
心拍数が低下し、心拍出量が減少する。
3. 静脈還流量の増加⇒✕
静脈還流量=心臓に戻ってくる血液の総量
心筋が伸展して1回拍出量が増大し、心拍出量は増加する。
4. 心筋収縮力の上昇
心筋収縮力の上昇=ポンプの力が強くなる
よって心臓への流入血液量が多くなる
=1回拍出量は増大(心拍出量も増大)
第112回 午後26問心臓の構造と機能
心周期に伴う心臓の変化で、収縮期の初期には心室の容積は変わらずに内圧が上昇していく。
このときの心臓で正しいのはどれか。
1. 僧房弁は開いている。
2. 大動脈弁は開いている。
3. 左心室の容積は最小である。
4. 左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。
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正解は・・・4. 左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。
1. 僧房弁は開いている。⇒✕
収縮期=心室内圧が心房内圧より高い
圧差によって僧帽弁は閉鎖する。
2. 大動脈弁は開いている。=✕
収縮期=大動脈弁は開く
しかし、収縮期の初期は心室内圧が大動脈内圧を超える前なので、大動脈弁は開いていません。
大動脈弁は心室の圧が大動脈圧を上回ったときに開きます。
3. 左心室の容積は最小である。⇒✕
収縮期初期における左心室の容積は最小ではない。
実際には収縮期の後半(すなわち血液が動脈に送り出された後)に最小となります。
4. 左心室の内圧は大動脈圧よりも低い。⇒〇
収縮期初期では、心室内圧が上昇していく途中であり、大動脈圧より低い段階です。
この時点では大動脈弁はまだ開いていないので、内圧は大動脈圧よりも低い。
心周期は左右心室の収縮によって開始する。この時期を等容性収縮期という。
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