5分でわかる!【術中モニター】新人看護師・看護学生のための全7記事まとめ

5分でわかるシリーズ!

術中モニタリングの目的は?

手術中、患者さんは麻酔の影響で意識がなく、自分で不調を訴えることができません。
たとえ意識下の手術でも、痛みや不快感をうまく伝えられないことがあります。

だからこそ、「モニターは患者さんの声を代弁する存在」なのです。

術中モニタリングの役割は大きく以下の3つ:

  • 安全な麻酔・手術の支援
  • 異常の早期発見
  • 合併症や異変、不快感の早期キャッチ

今回は、その中でもとくに基本かつ重要な6つのモニター項目をわかりやすく解説します!


📈 SpO2(パルスオキシメーター)

何を見る?

血液中の酸素飽和度(=SpO₂)。正常値は**96〜100%**程度です。

⚠️ 異常値で何が起こる?

SpO₂が90%を切ると要注意!
酸素不足により臓器障害や意識障害につながる恐れがあります。

  • プローブの外れ・冷え・貧血なども誤測定の原因に。
  • 継続して90%以下が続く場合は、早急に対応を。

🔗 術中SpO₂の見方と対応まとめ


🔢 EtCO₂(呼気終末二酸化炭素)

✔️ 何を見る?

呼気の最後に排出されるCO₂濃度。正常値は35〜45mmHgです。

⚠️ 異常値で何が起こる?

  • 35以下:過換気、肺塞栓など
  • 45以上:呼吸抑制、低換気、筋弛緩の残存など

麻酔中の換気状況や循環動態を評価するうえで、とても大切!

🔗 EtCO₂の基本と波形の読み方


❤️ ECG(心電図)

✔️ 何を見る?

心臓の電気的活動をリアルタイムで観察(P波・QRS波・T波など)。

⚠️ 異常波形で何が起こる?

  • 心室細動(Vf)や心室頻拍(VT)などは即時対応が必要な致死的不整脈
  • P波が見えない・QRSが広いなども見逃し厳禁!

🔗 術中に見逃してはいけない心電図波形とは?


血圧(SBP/DBP/MAP)

✔️ 何を見る?

収縮期(SBP)・拡張期(DBP)・平均血圧(MAP)

⚠️ 血圧異常で何が起こる?

  • 低血圧:出血・循環不全・麻酔過量の可能性
  • 高血圧:疼痛、術中覚醒

とくにMAP<60mmHgが続くと、重要臓器への血流が不足するため注意。

🔗 術中血圧の見方と対応ポイント

🛀 CVP(中心静脈圧)

✔️ 何を見る?

右心房への還流圧=体液量の指標
中心静脈カテーテルで測定します。

⚠️ CVPが高い/低いと?

  • 高い:心不全・輸液過多・肺塞栓
  • 低い:脱水・出血・静脈還流障害

🔗 CVPを使った循環評価の基本


🌡 術中の体温モニタリング

✔️ なぜ体温が大事?

  • 低体温 → 感染・凝固異常・麻酔覚醒遅延
  • 高体温 → 悪性高熱症・感染などの兆候

持続的な体温測定で、重大な合併症の予防につながります。

✔️ どこで測る?

代表的な測定部位と特徴:

測定部位正常値目安特徴
食道温36.0〜37.5℃信頼性高く反応も早い(30〜40cm挿入)
鼻咽頭温36.0〜37.5℃非侵襲・簡便だが乾燥に注意
直腸温36.5〜37.5℃安定しているが反応がやや遅い
膀胱温36.0〜37.5℃カテーテル併用で簡単、尿量少だと誤差あり

🔗 術中の低体温・シバリングの原因

✅ まとめ:モニターは“患者の声”を見逃さない力

術中モニターは、患者さんが発信できない異常のサインを捉える大切な手段。
パラメータの“変化”を見抜く力が、アセスメント力の差になります。

機械任せにせず、モニター×観察×経験
「その人の今」をしっかりと読み取れる看護を目指しましょう!

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