新人看護師必見!!みんなに教えたくなる【ガンマ計算】

知っておきたいガンマ計算 お勉強

麻酔科医:「ドパミン5γ(ガンマ)で始めるよ~。」
こんな事聞いたことありませんか??

実際に、シリンジポンプや輸液ポンプに流量を設定するときは「○○ml/H」という単位です。

流量でも指示を出してもらえると思いますが・・・・

なんでガンマなの?
ガンマって何?
って思いませんか。

この記事を読んで、ガンマ計算について理解し、計算方法を習得しましょう。

ガンマ計算ってなぜ必要なの??

ガンマとは・・・・
「患者さんの体重に合わせた」薬剤の量を指示するための単位です。
だから同じ5γという指示が出ても、体重が違えば流量が異なります。
ガンマを使うことで、患者の体重に合わせた薬剤の量を投与することができます。

しかし、臨床ですぐ使えないのが厄介なところです。

ガンマ計算の式

γ=μg/kg/min

現場では、γで指示を出されても「ml/H」に直して流量を設定する必要があります。

ガンマ計算には以下の2つの情報が必要です。
・患者の体重
・薬液の濃度


γ=μg/kg/min

なぜ、mlではなくてマイクログラムなのか・・・・

mlにしてくれた方が計算簡単じゃん!!

と、思いますよね。

mlにしてしまうと、
濃度が高い薬液の1mlと濃度が低い薬液の1mlでは、投与される薬剤の量が違ってしまうからです。


よって順番に「μg/kg/min」を「ml/H」に変えていく必要があります。

1㎎(ミリグラム)=1000㎍(マイクログラム)
1H(時間)=60min(分)
これを頭に入れておいてください。

実際にガンマ計算してみましょう

パーセントまで出てきた・・・・

落ち着いて順番に考えていきましょう。

① 指示を見て 「㎍/min」 を考える

γ=μg/kg/min なので
5γ=5μg/kg/min となります。

体重1㎏あたり5㎍投与したいということは・・・・

50㎏の人の場合は
50(㎏)×5(㎍)=250㎍
となります。

したがって、250㎍/min となります。

②㎍/min(分)から「㎍/H(時間)」に変換する

250㎍/min =1min(分)あたり250㎍投与
1H(時間)=60min(分)
よって
250(㎍)×60(分)=150000(㎍)

150000㎍/Hとなります。

③最後に㎍をmlに変換します

150000㎍を㎎に変換すると・・・・

1㎎(ミリグラム)=1000㎍(マイクログラム)
なので
15000(㎍)÷1000=150㎎
よって15㎎/Hとなります。

次に薬液側です。
0.3%は1mlあたり何mgかを考える。
1% = 1g/100ml
0.3% = 0.3g/100ml

これを1mlあたりに換算すると、
0.3g÷100ml=0.003g/ml

gから㎎に直すと
0.003g×1000=3㎎
よって0.3%は3㎎/mlとなります。


0.3%の薬液の15㎎は、何mlか 
がわかれば良いので
15(㎎)÷3(㎎)=5ml

よって、体重50㎏の人の5γは
5ml/Hとなります。

お気づきでしょうか・・・・

50㎏の人の5γ=5ml/H
一緒じゃん!!!!
これは偶然ではありません。
ドパミンなどの注射薬に中途半端な濃度である、0.3%が用意されているかというと、ガンマ計算しやすいようにするためです。

0.3%という濃度は、
体重50kgの患者さんに投与するγと液量(ml/H)が同じということ。

0.3%の薬液を投与するときのガンマ計算は、これを利用します。

・体重100㎏の人の5γは
100㎏÷50㎏=2(倍)
5γ×2=10γ
よって10ml/H

・体重40㎏の人の5γは
40㎏÷50㎏=0.8(倍)
5γ×0.8=4γ
よって4ml/H

さらにお気づきでしょうか・・・

0.3%の薬液の場合
5γ=体重÷10=流量(ml/H)

ということが・・・・・・・
よって流量÷5をすることで1γの流量がわかります。

その他のガンマ計算の方法

☆体重W(kg)
☆1H=60min
☆1mg=1000μg

・W(kg)の患者に,1γ(μg/kg/min )投与したい
流量はml/Hか・・・・

①「㎍/min」を考える
W(kg)× 1μg =W×1㎍/min

②㎍/min(分)から「㎍/H(時間)」に変換
W×1㎍/minW×1(㎍)×60/H
=60×W(㎍)/H

③最後に㎍をmlに変換します
1㎎=1000㎍なので
60×W(㎍)÷1000=0.06×W(㎎)

したがって
1γ=0.06×W(mg)
ということです。

この公式に、
・患者の体重(W)
・薬液の濃度
の情報を当てはめることで、ガンマ計算ができるのです。
(薬液の濃度がわからないと、㎎をmlに変換できません。)



例)50㎏の人にドパミン0.3%を5γで投与する。

まずは・・・・
1γ=0.06×W(mg)
の公式に当てはめる。

1γ=0.06×50(㎏)=3㎎
5γ=3×5=15㎎

次に薬液の濃度から、薬液の量(ml)を考える
0.3%は3㎎/ml

15㎎は何mlかがわかれば良いので
15(㎎)÷3(㎎)=5ml

よって、体重50㎏の人の5γは
5ml/Hとなります。

どんな薬剤がガンマで指示が出されるの??

ガンマで指示が出されることが多い薬剤の特徴
・薬効が強い
・患者の状態が危機的
・投与量を細かく増減する必要がある

具体的には、
ドパミン
ドブタミン
ノルアドリナリン
などのカテコラミン製剤

他にも
α型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチド製剤であるハンプ
短時間作用型β1選択的遮断剤であるオノアクト
急性心不全治療剤であるミルリーラなど

まとめ

カテコラミン製剤などの、薬効が強い薬剤、
患者の状態によって、投与量を細かく増減したい場合などにガンマが用いられます。

γ=「患者さんの体重に合わせた」薬剤の量を指示するための単位です。


γ=μg/kg/min
臨床で使用するには、○○ml/Hに変換し、投与量を設定する必要がある。
この時に必要なのがガンマ計算。

公式:1γ=0.06×体重(mg)
・γ計算には、患者の体重と薬液の濃度の情報が必要。

0.3%の薬液の場合
公式:5γ=体重÷10=流量(ml/H)

いかがでしたでしょうか。
ガンマ計算について理解できましたか??

この記事が少しでも、皆さんのお役に立てれば幸いです!!!

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