5分でわかる!【全身麻酔の基本⑤】麻酔導入の看護|ラピッドとクラッシュ導入の違い

手術看護

緊急手術・・・
「クラッシュインダクションで!」

あなたは何をしますか?

5分でラピッドインダクションとクラッシュインダクションの違いを覚えよう!

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麻酔導入とは・・・

意識のある状態から安全に麻酔状態へと移行させる一連のプロセスのこと。

導入方法の種類
  • 急速導入(Rapid Induction)
  • 迅速導入(Crash/Rapid Sequence Induction)
  • 緩徐導入(Slow Induction)
  • 意識下挿管(Awake Induction)

急速導入(英語:Rapid Induction)とは

成人では、一般的な麻酔導入方法!
マスク換気からの挿管!
手術室で働いていたら、一番よく見るやつ!

迅速導入(英語:Crash/RSI)とは

誤嚥リスクの高い患者に行う麻酔導入方法!
嘔吐予防のため、マスク換気せず、挿管!
消化器外科の緊急手術でよくあるやつ!

適応患者
  • フルストマック
  • イレウス
  • 多量の腹水
  • 妊婦
  • 高度肥満 など

フルストマックは・・・
絶飲食時間が6時間以内の患者さんのこと!

急速導入と迅速導入の違い

手順

STEP患者の意識状態急速導入(ラピッド)迅速導入(クラッシュ/RSI)
1覚醒状態酸素投与酸素投与
マスク換気をしない分、
導入前にしっかり酸素化!
顔にマスクを密着させて、深呼吸を促すよ!
2意識がぼんやり
→消失
オピオイド投与
(フェンタニル・レミフェンタニル等)
静脈麻酔薬投与
(プロポフォール等)
オピオイド投与
(フェンタニル・レミフェンタニル等)
静脈麻酔薬投与
(プロポフォール等)
筋弛緩薬投与
(ロクロニウム等)
3意識消失
自発呼吸減弱
マスク換気輪状軟骨圧迫(セリック法)
※麻酔科の指示による
筋弛緩が投与され、無呼吸。
4意識消失
自発呼吸なし
筋弛緩薬投与
(ロクロニウム等)
気管挿管
カフ注入(10cc)
輪状軟骨圧迫解除
5挿管完了
麻酔維持
気管挿管

※輪状軟骨圧迫(セリック法):嘔吐による誤嚥を防ぐために、食道を一時的に閉塞させる手技です。

急速導入は、マスク換気可能か確かめてから、筋弛緩薬を投与するのに対して、
迅速導入は、筋弛緩薬も投与して、すぐに挿管に入るよ!

迅速導入の挿管介助

  • 頭高位をとる場合がある
    胃内容の逆流予防
  • 意識下で胃管挿入する場合もある
    あまりに胃内容物が多い場合は・・・
  • 輪状軟骨圧迫(セリック法)をする場合がある
    嘔吐や誤嚥予防
    迅速導入の「喉押しして!」はコレ!
  • いつでも吸引準備OKな状態で
  • 挿管後一気にカフを10cc注入!
    気管内に嘔吐物が入らないように!
    カフをしっかり膨らませてから、換気を開始します。
    正しく挿管されたことを確認した後、カフの調整をするよ!
    (カフの量は、麻酔科医に確認しておこう!)

喉押しの解除は、カフを入れ終わってから!
麻酔科に確認してから離すようにしよう!

まとめ【ラピッド・クラッシュ導入の違い】

比較項目急速導入(ラピッド)迅速導入(クラッシュ/RSI)
対象患者一般的な全身麻酔患者誤嚥リスクが高い患者
(例:フルストマック、妊婦など)
手順の特徴マスク換気あり
→ 筋弛緩薬投与
→ 挿管
筋弛緩薬をすぐに投与
→ マスク換気なしで速やかに挿管
輪状軟骨圧迫通常行わない実施する場合がある
(※麻酔科の指示による)
看護の役割通常の麻酔準備・介助「喉押し!」
「吸引すぐ!」に即対応できる体制が必要
カフ注入挿管後に確認して調整挿管直後に10cc一気に注入
嘔吐物の気管内流入予防

クラッシュ導入は誤嚥させないよう迅速かつ的確に!
焦らず動けるよう、頭の中にシミュレーションしておきましょう!!

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