5分でわかる!【全身麻酔の基本①】|バランス麻酔とは?全身麻酔の三要素

手術看護

「バランス麻酔って結局どういう意味?」
基本すぎて、いまさら聞けないポイントを5分で確認していきましょう!!!

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まず押さえたい!全身麻酔の「3要素(3A)」とは?

  • 鎮痛(Analgesia):痛みを感じない=無痛
  • 鎮静(Amnesia):意識・記憶がない=健忘
  • 筋弛緩(Akinesia):身体が動かない=不動

つまり・・・
「痛くない・覚えてない・動かない」= 手術に必要な3要素のこと!

安全性をプラス!全身麻酔の「4条件(4A)」

上記の3要素に加えて

  • 有害反射の抑制(Autonomic reflex suppression)

有害な自律神反射(頻脈、高血圧、不整脈)がない安全な状態。
「全身状態をコントロールする」という視点が追加されたのが“4A”です。

バランス麻酔とは?

1つの薬で「無痛・健忘・不動・反射抑制」すべてをカバーするのは難しい。

目的ごとに複数の麻酔薬を使い分け、
副作用を抑えながら必要な効果を得る方法がバランス麻酔です。

よく使う麻酔薬まとめ

目的薬剤例働き
鎮痛フェンタニル・レミフェンタニル痛みの感覚を鈍らせて、痛覚をコントロールする薬剤
鎮静静脈麻酔薬:プロポフォール
吸入麻酔薬:セボフルラン・デスフルラン
意識をなくし、記憶を残さない(健忘)
いわゆる「眠る薬」
筋弛緩ロクロニウム筋肉の動きを止める。
呼吸筋も弛緩するため、人工呼吸管理が必須

一緒に覚えておこう!

鎮静薬には「静脈麻酔薬」と「吸入麻酔薬」がある!

  • 静脈麻酔薬
    点滴から投与。
    効果に個人差があるため、脳波モニター(BISなど)で深さを評価することも。
  • 吸入麻酔薬
    麻酔器からマスクまたは挿管チューブを通じて吸入投与。

成人では、多くの場合・・・
静脈麻酔薬(プロポフォールなど)で導入し、維持には吸入麻酔薬または静脈麻酔薬を使用。

※全静脈麻酔(TIVA:Total Intravenous Anesthesia)は、静脈麻酔のみで維持する方法です。

筋弛緩薬を使わない全身麻酔もある

  • 気管挿管を行わない手術
  • ラリンジアルマスクを使う短時間の処置

などでは、筋弛緩薬を使用しないこともあります。

※体が動いてしまうことがあるため、注意が必要!!

鎮痛薬(オピオイド)の使用量を減らすために、区域麻酔併用することがある

術中・術後の疼痛管理では、区域麻酔の併用によって鎮痛薬(オピオイド)の使用量を抑え、副作用リスクの軽減を図れます。

区域麻酔とは・・・・
意識に影響を与えず、痛みを取り除くための麻酔。
硬膜外麻酔
脊髄くも膜下麻酔
末梢神経ブロック 等

まとめ

  • 全身麻酔の基本は「3A(無痛・健忘・不動)」
  • より安全にするためには「4A(+有害反射の抑制)」が大切
  • バランス麻酔」とは、複数の薬を組み合わせて安全かつ効果的に麻酔を行う方法

豆知識:麻酔記録のAOSR・AODRって何??

麻酔科の先生の記録で、「AOSR」や「AODR」などを見たことはありませんか??
麻酔記録に出てくる「AOSR」や「AODR」は、全身麻酔の方法を示しています。

項目意味
AAir(空気)
OOxygen(酸素)
SSevoflurane(セボフルラン:吸入麻酔薬)
DDesflurane(デスフルラン:吸入麻酔薬)
RRemifentanil(レミフェンタニル:鎮痛薬)
FFentanyl(フェンタニル:鎮痛薬)※まれに使用

全身麻酔は英語で「General Anesthesia」
GAと表記されることもあります!

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