5分でわかる!【全身麻酔の基本②】|フェンタニルとレミフェンタニルの違いとは?

手術看護

怖い先輩に
「フェンタニルとレミフェンタニルの違いわかる?」
って聞かれたら、固まりますよね?

5分で確認していきましょう!

術中オピオイドの役割とは?

オピオイド(麻薬性鎮痛薬)は、手術中の痛みのストレスを軽減し、麻酔を安定させるために使われます。

使用目的
  •  術中の交感神経反応(血圧上昇・頻脈)を抑える
  •  麻酔薬の使用量を減らせる
  •  患者さんの不快を減らし、術後の回復をスムーズにする

【比較表で確認!】フェンタニルとレミフェンタニルの違い

特徴フェンタニルレミフェンタニル
作用発現1~2分1~2分
作用時間約30分~1時間数分
(持続投与を止めるとすぐ切れる)
代謝肝代謝血中エステラーゼ分解
(肝腎機能に依存しない)
投与方法主にボーラス(術中/術後鎮痛)主に持続投与(術中管理)
術後鎮痛効果あり術後には効果なし(すぐ切れる)
用途導入時/術中/術後も使用可術中限定の鎮痛薬
副作用遅発性呼吸抑制
覚醒遅延
悪心・嘔吐
血圧低下
徐脈
悪心・嘔吐
悪寒

レミフェンタニルより作用時間が長いフェンタニルは、
使用するタイミングによっては、術後に副作用が発現するリスクがある!
術後の申し送りで、フェンタニルを使用した時間を伝えておくと安心!

フェンタニルとレミフェンタニルの使い分け

フェンタニル

  • 術中の軽度〜中等度の侵害刺激に対応できる
  • ボーラス投与または硬膜外投与が可能
  • 術後の鎮痛にも有効(効果がある程度持続する)

レミフェンタニル

  • 比較的侵襲が強い手術に使用
  • 持続投与が基本
  • 効果がすぐに切れるため、術後鎮痛には不向き
  • 日本では術中の全身麻酔での使用のみが認められている

フェンタニルとレミフェンタニルを併用

  • レミフェンタニルで術中の痛みをコントロール
  • ンタニルで術後の急激な痛みを予防

「レミフェンタニル=術中専用」
「フェンタニル=術中+術後」
術後疼痛を予防したいときは、フェンタニルの併用がカギ!

まとめ

  • レミフェンタニル:術中の鎮痛専用。投与中止後すぐに切れる。
  • フェンタニル:術中・術後にも使える長めの作用時間。
  • 術後疼痛を予防したいときは、レミフェンタニルとフェンタニルを併用する

おまけ:オピオイド拮抗薬「ナロキソン」とは?

オピオイドを使う以上、副作用への備えも大切!

ナロキソンって何?

  • オピオイド受容体に結合して、フェンタニルやレミフェンタニルの効果を一時的にブロック
  • 特に呼吸抑制過鎮静などの重篤な副作用への「拮抗薬」として使用されます。

こんなときに使う!

  • 呼吸回数が極端に低下(≦8回/分)
  • 意識レベルが著しく低下
  • 硬膜外鎮痛中にフェンタニルで副作用が出たとき

注意点

  • 効果は一時的(30分〜1時間)なので、再鎮静に注意して観察継続が必要
  • 痛みが一気に戻ることもあるため、投与は慎重に

コメント

タイトルとURLをコピーしました